木をそのまま使う心地よさを、日々の中に。信州経木Shiki

原点は、「日本の森が抱える問題を解決したい」という想い
森林の未利用や管理放棄。
そんな問題を抱える現在の日本において、地域の木を適切に使うことは森林保全に繋がります。
「日本や世界の森が抱えている課題をなんとかしたい」私たちやまとわはこの想いのもと、地域の木を使い、家具などのものづくりを行ってきました。家具は何世代にも渡って使われる木製品。長く使い続けることができる一方で、地域材の利用は進まない。
もっと気軽に暮らしに取り入れることができ、日常的にほどよく消費され、地域材の利用に繋がる木製品はないものか。そう考えていた矢先にやまとわ社長の中村は、経木(きょうぎ)と出会います。

伊那のアカマツ利用にも繋がる「消費される木製品」
近年、アカマツに広がる松枯れ病の被害。
私たちの拠点がある信州伊那谷のアカマツも例外ではありません。枯れてしまう前に適切に使い、新たな生命を吹き込みたい。そう想い続けてきた中村は、経木にアカマツが適していることを知り、これは自分がやるべきことだ、そう思ったと言います。
経木は木を紙のように薄く削ってつくられる、日本伝統の包装材。昔のように人の暮らしの中で当たり前に使われるようになれば、「消費される木製品」としてアカマツの利用に繋がり、日本の森へのアクションを取ることができる。

試行錯誤の日々
生木を削ってできる、自然素材そのものの経木。いざ作り始めようとしても、一筋縄ではいきませんでした。
50年以上前に作られ、マニュアルなどない機械。木材ひとつひとつの特性を見極める力やかんなの技術。中村はキャリア20年以上の家具職人ではありましたが、経木を作れるようになるまでに試行錯誤の日々が続きました。
▼ 中村の経木との出会いや削れるようになるまで、そしてその想いとは。
「紙切れみたいな一枚の経木から世界の森を変えたい。」伊那で再び始まる、昔ながらの経木文化
▼ ゼロから始まった経木づくり
信州の職人たちが挑んだ、経木(きょうぎ)の復活プロジェクト。古き良き、経木の文化をもう一度伝えたい…。「信州経木Shiki」の開発秘話を綴りました。
93歳(当時)の経木職人山岸さんを訪ねたとき

削れない日々を繰り返し、これだ!というものが削れた日。信州経木Shiki初代職人酒井さんのガッツポーズ

経木を暮らしの中で心地よく楽しんでもらいたい。「信州経木Shiki」の誕生
ブランド名に込めた想い
試行錯誤の末、なんとか削れるようになるまで1年あまり。そして2020年夏、「信州経木Shiki(しんしゅうきょうぎしき)」をブランド名に、経木の販売を開始しました。
「Shiki」には、何かを包む風呂「敷」、何かと組み合わせて別のものを作り出す「織」、経木の豊かな模様を生み出す「四季」、日本語で「紙木」などの意味を込めました。
また、Made in Shinshuであることを伝えるため、「信州経木」という説明的名称をセットにし、経木を知っている人にも知らない人にも届けることができるよう配慮したブランド名としました。
昔ながらの使い方だけでなく、現代の暮らしに取り入れられる提案も
経木は木を紙のように薄く削ってつくられ、プラスチック製品が台頭するまでは包装材として使われてきました。
木の調湿作用で食材の保存に適している理に適ったもので、対面販売のお肉屋さんやお魚屋さんで使われたり、おにぎりを包んだり。
そのような使い方はもちろん、現代の暮らしの中でも気軽に楽しく取り入れられるような使い方も公式サイトやInstagramで紹介しています。
信州経木Shiki 公式サイト
信州経木Shiki Instagram


文具ブランド「Shiki bun」の誕生
2022年3月、経木をページにした「木そのまま 木のノート」の販売を開始しました。

「信州経木の文具ブランド」「信州経木で文化をつくる」という意味を込め、ブランド名は「Shiki bun(しきぶん)」に。
経木をもっと色々なシーンで楽しんでもらいたい、多くの方に知ってほしい。そんな想いと、紙が無かった時代に木にお経を書いていたという背景からヒントをつかみ、ノートをつくろう!となりましたが、私たちが拠点とする伊那市の製本屋「美篶堂」さんが協力してくださったことはとても大きいです。
やまとわの木こりが森林整備をし、やまとわの職人が経木を削り、美篶堂さんが1冊1冊、手作業で製本する。
そんな風にバトンを繋いでつくられる木がページになった木のノートは、世界で他になく、信州経木Shikiや経木そのものを多くの人に知ってもらう大きなきっかけとなるプロダクトとなりました。
shiki bun 木のノート B6ハードカバーサイズができるまで
※木のノートB6は松本市の藤原印刷さんにも協力していただきました。


経木が日々の中で当たり前に使われる未来へ
経木は日本では昔から包装材として使われてきましたが、プラスチック製品によって代替されてきました。
プラスチック製品と比較をすると、現代の感覚では少し不便かもしれません。
それでも、森の循環に寄与するプロダクトであることや使い心地の良さ、文具にするというユニークさなどから、これまで多くの方に手に取っていただいてきました。
販売開始から約4年経った2024年夏現在、信州経木Shikiの取扱店舗は100店舗を超え、木のノートは海外からの引き合いも増えています。ノベルティやブランドとのコラボなども実現し、信州経木Shikiを使っているというSNSの投稿も増え、少しずつ暮らしと経木が身近になってきています。
今後も日々の中で経木を使う心地良さや面白さを提案しながら、地域の木を適切に使い森を豊かにする循環を生み出していくブランドとして成長できればと思います。
コラボレーション事例
「山の上ニューイ」と一緒に楽しむオリジナル経木を製作しました
【BEAMS JAPAN別注】信州経木Shikiを善光寺にて期間限定販売しました
信州経木ShikiユーザーのSNS投稿
クリエイティブ、デザイン制作
ロゴ
松葉を組み合わしたモチーフ

ノートを開いた時と松葉をイメージ

信州経木Shikiパッケージ
プラではなく、中身の経木が見える素材にしたいと拘ったパッケージ

アウトレット品のパッケージは手に取りやすい雰囲気のものに

Webサイト

今後の展望
信州経木Shikiは2024年夏現在、信州伊那谷のアカマツを活用し製作をしています。
今後はアカマツをメインとしつつも、他の樹種の削りにも挑戦したいと考えています。
その樹種に適した使い方提案をしながら地域材の活用を促進できるブランドを目指し(経木ソムリエのような)、料理人さんとのコラボもできたらいいなと妄想しています。
また、2024年はShik bunの新たなライナップを2つ発表予定です。
今後も日々丁寧に生産を続けながら、暮らしの中で経木を心地よく使っていただけるような企画を進めていきます。コラボレーションも積極的に募集しています!
クレジット
コンセプト / 企画 / クリエイティブデザイン | やまとわ取締役・森林ディレクター 奥田悠史
企画 / ディレクション | やまとわ 木工事業部 吉田かおり/飯塚綾子
経木生産|やまとわ 木工事業部 大場直人 田中亮祐 酒井邦芳(2024年3月退職)




