森の企画室

次世代につなぐ「匠の里」のもりづくり

精密機器のメーカー KOA株式会社が持つ自然に対する想い

KOA株式会社様は創立1940年、固定抵抗器生産を主力事業とするメーカーで自動車向けを中心に幅広い用途の固定抵抗器などの開発・製造・販売を行う、世界シェア首位級の企業となります。

そのKOAは創業者の出生の地である伊那谷で農村というコミュニティが崩壊していく中、農村の生活基盤づくりと安定した暮らしをこの地で実現するため「農工一体」をビジョンに伊那谷の自然との共存を体現されてきました。

なぜギフチョウのもりをつくるのか

1992年、飯田市の誘致を受け、飯田市桐林にある工業団地※に新工場「匠の里」を建設することになります。※桐林環境産業公園

建設前の現地調査で、その土地が準絶滅危惧種で日本固有種の蝶「ギフチョウ」の生息域であることを知りました。

ギフチョウの減少に工業団地の影響があるかもしれないと、計画段階から地域の自然を共存させることを念頭に社屋は自然に溶け込むよう低層なものにし、周辺をギフチョウが戻ってこれるような自然にするため、30年以上に渡りKOAの理念である4つの価値観「循環・調和・有限・豊かさ」に基づいた活動として森林整備を続けてこられました。

KOA 匠の里

保全活動を映像作品に

映像制作のきっかけは、社員へ「4つの価値観」を浸透させる動画を制作してほしいという依頼からはじまり、

企画を担当した奥田が「単純に価値観を説くのではなく、それを体現している活動を映像にしたほうが潜在的に社員のみなさんに価値観が伝わるのでは」という発想から匠の里で行われている“もりづくり”を映像化しようとプロジェクトが発足しました。

いないギフチョウをどう表現するか

映像制作の依頼をいただいた時期は5月。上映するイベントは10月と制作期間は限られていました。

そして、この期間はギフチョウは飛んでおらず落ち葉の下でサナギになっている時期であり、保全活動である森林整備も芝刈りくらいで特に作業がない時期でした。

制作チームで検討した結果、アニメーションでギフチョウを表現しよう!ということになりました。

そこで、制作チームに参画していただいたのが kobito inc. のみなさんです。

彼らは自然物を使って、ストップモーションアニメを制作することを得意としていたので、KOAの社員のお子さんへ向けたギフチョウを知ってもらい、匠の里周辺にある自然物を集めて子どもたちにギフチョウのアートを作ってもらうワークショップを開催した様子を映像に収めるというドキュメンタリーとアニメーションを融合させた企画を提案させていただきました。

ワークショップ当日

ワークショップにはKOA社員の方々の5家族、8人のお子さんが参加してくれました。

とても暑い日でしたが、前半は親御さんたちが働く会社が匠の里で30年間行われている活動の紹介に耳を傾け、一緒に敷地を回ることで実際にどのような整備をしているかを感じ、午後は自然の中を一生懸命駆け巡り、素材を集めてアートを作ってくれました。

映像作品

クレジット

クライアント | KOA株式会社
コンセプト / 企画 | やまとわ 取締役・森林ディレクター 奥田悠史
クリエイティブディレクション / PM | やまとわ 森事業部 市川雄也
映像監督 / 撮影 | 未来シネマ Ben Matsunaga
ワークショップ設計 / アニメーション制作 | kobito inc.
音楽 | 吉田大致